日経社説 世界経済に原油高の不安

 原油価格が騰勢を強めている。27日のニューヨーク先物市場の時間外取引で初めて1バレル50ドルを突破した。ナイジェリアやロシアなど主要産油国の生産の先行きへの不安から、需給ひっ迫懸念が強まったのが主因だ。投機資金の流入による一時的な動きという見方もあるが、長期化すれば世界経済への悪影響は無視できない。
 原油高に伴って日米の株価が急落するなど、金融・株式市場でも企業業績や個人消費への影響を心配する声が出てきた。今回の原油高の世界経済への影響は、インフレを加速する懸念よりも景気を下押しするリスクのほうが大きいようだ。

 そうなのか? というのはデフレになるか?

 さらに日本にとって心配なのは原油価格上昇の直接の影響より、主要貿易相手国の米国や中国の経済が減速するリスクだ。原油高で米国の個人消費が落ち込めば、輸出減少を通じて日本企業への影響も避けられない。経済のグローバル化が進む中で、かつての石油危機の時のように日本だけが省エネ対策などでがんばればすむ、という問題ではなくなってきている。また、中国のエネルギー問題は現地進出した日本企業にとっても重要な課題だ。

 これはそうかもしれない。