朝日社説 佐世保事件――子育てに鳴らした警鐘

 女児は事件後も、被害者の命を奪ったことの重大性や家族の悲しみを実感できないでいる。そうしたことが厳しい処分につながった。

 これは一つの思想と呼ぶべきものなのだろう。あるいは宗教的な顕在というか。あまり大仰に言いたくはないが、ドストエフスキー的な文学なり思想の大きな課題に思える。いや、それはすでにサカキバラ事件ですらその萌芽があった。両者を繋ぐという意味ではない。ただ、大きな課題がここに横たわっているとは思う。現代思想がなんであるか、どうでもいい。だが、現代の思想が課題するものがあるとすればこの意味ではないのか。