発信箱:内なる病巣 河野俊史記者

 米国内で個人所有される銃は約1億9000万丁といわれ、銃による犠牲者は年間3万人近くに上る。「イラクの銃撃戦で死亡する米兵の100倍、そして6週間ごとに同時多発テロの犠牲者と同じ人数が命を落とす」とニューヨーク・タイムズ紙は指摘する。置き去りにされた「内なる病巣」だ。(北米総局)

 そういうことなのだ。
 ところで、イラク戦争の死者だが米兵の1000人はベトナム戦争を思えば、ラムズフェルドなど何?という感じではあるだろう。イラク側の死者の推定は昨日なんかのニュースで1万人と聞いた。率直な印象を言えば、存外に少ない。しかし、その倍くらいの線がマックスではないか。とすると、国際的にはやはり戦争の悲惨というより、政治的な問題になる。
 戦闘は激化しているがベトナム化と呼ぶには、なんというか、ベトナム戦争の忘却のようにも思う。