工業製品と甘藷

 沖縄の銘酒といえば「泡盛」だということは、皆さんも知っていると思います。泡盛はお米を原料とした蒸留酒です。現在では泡盛の原料としてタイ産の砕米が使われていますが、古くから使用されていたものではなく、定着したのは昭和に入ってからのことで、歴史はとても浅いといえます。

 15 世紀の初めごろには、シャム(タイ)から伝えられた製法によって、沖縄でも蒸留酒がつくられるようになります。そのときの原料として使われたのは、お米やアワや黍などです。野國總管によって甘藷が伝えられ、それが沖縄各地で栽培されるようになると、甘藷が泡盛の原料として使用されるようになります。