編集委員レビュー(4月26日・竹内謙)イラク人質事件で見えた日本人の2つの流れ

 第2の流れは、自分の気に入らない議論に口汚い集中砲火を浴びせる人々の存在だ。それが権力の世論誘導に与する結果を招いているところが薄気味悪い。
 「2ちゃんねる」をはじめとするインターネット上の掲示板での人質とその家族に対する罵詈雑言の嵐はすさまじかった。その中身は「自作自演説」「迷惑論」「自己責任論」の3つだが、「論」と呼ぶにふさわしいものはごく少ない。ほとんどは、罵り、嘲りの言葉の投げつけに過ぎない。残虐な、あるいは差別的な表現を楽しむ風もある。
 こうした書き込みをするのはどんな人たちなのだろうか。匿名なので、どこの誰かはわからない。ただ、性格的には暗さを感じる。書き込みのなかに「サヨク」や「市民」を毛嫌いする表現が多いことから見ると、右寄りの思想傾向、市民意識に根ざした活動をする人たちが嫌いな人が多いのかもしれない。いずれにしても、その書き込み数の多さは一定の世論を形成する力を持っている。
 問題は、そうした掲示板上の書き込みが、政府要人や与党(自民・公明)幹部の口から発せられる「自作自演説」「迷惑論」「自己責任論」と軌を一にしていることだ(「竹内外務次官の発言」)。一部マスコミ(とくに讀賣新聞産経新聞週刊新潮など)の報道・評論が、それを増幅したことも間違いない。

 ただのネタメモ。批判? ないよ。あるわけないじゃんじゃん。