日経 減災は大震法の見直しから  :日本経済新聞

 しかし、地震の場所や規模、時間を数日前に予測する直前予知ができる科学的な根拠は乏しい。昨年の震災では長期の地震予測すらあてにならないことも浮かび上がった。予知や予測に頼る防災をこれ以上続ける弊害は大きい。

 まあ、よくない比喩だが「原子力村」みたいなものにもなっているので、難しいだろうな。

産経 【主張】ツアーバス事故 形式的監査は意味がない - MSN産経ニュース

 まあ、指摘されているとおりなんだが机上の空論臭い。あの事故についていえば、人災という指摘はその通りでもあるんだが、ブラックスワン的な要素もあり、そのリスクで成り立っていた産業かもしれない。もちろん、そんなふうに維持すべきではないのは確かなのだが、さて、では今後どうなるかというとそのビジョンが見えなければ、また同じ均衡に戻る。

毎日 社説:障害者雇用 「合理的配慮」を職場に− 毎日jp(毎日新聞)

 企業にとっては厳しい内容に思えるかもしれないが、リーマン・ショック以前から障害者雇用は少しずつではあるが着実に伸びている。特に知的障害者精神障害者の伸びが著しく、大企業が障害特性に合った労働内容の特例子会社を作って受け入れるケースが目立つ。就労を柱にした障害者自立支援法の影響も大きく、精神障害者の求職者数は急増している。今回の制度改革は当然だ。

 一部実態を知っているので、この指摘が正しいというのがわかる。
 この問題はけっきょく大企業のお目こぼし的な救済策なんで、今後大企業が細っていくなかで維持できるとも思えない。
 この議論の裏には、実は、団塊世代が抱えている中年の障害者問題がある。誰かテーマにしているかわからないが、休日の公園でも行けば、老夫婦が中年の障害者を支えている光景は目に付く。

読売 閣議の議事録 後世の検証が可能な制度築け : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

民主党が、政治主導の名の下に官僚を政策決定の場から排除したことも一因だろう。

 結果として民主党のほうが密室政治を推進たなと思う。

朝日 求刑超え判決―障害への偏見が過ぎる : 朝日新聞デジタル:社説

 この問題に触れたかあという感慨。

 この障害だからといって反社会的な行動に必ずしも結びつくわけではなく、すぐにも再犯に走るような発想は差別を助長するものだ。偏見が過ぎる判決としかいいようがない。

 これは執筆子が考えているかどうかわからないけど、両刃の剣ということになりかねないので、「差別を助長する」という一面があるのだけど、それだけで論じられない。

 そうした実情も見据えて、裁判員の市民や裁判官が「受け皿がない」としたのだろうか。弁護側も社会での更生が可能との立証を尽くしたとは言い難い。

 これは机上で考えるとその通りなのだが、実際的に受け皿がどう想定されているのかという、この具体事例で即した評価がよくわからないとなんとも言えない。別の言い方をすれば、理想論の社会問題と、この具体事例をどう扱うのかという問題。
 総じて言うと、この問題を社説で扱った蛮勇は評価するけど、あまり創見とも言い難いように思った。

朝日 社会保障と税―五輪開会式から考える : 朝日新聞デジタル:社説

 ロンドン五輪の開会式では、英国の歴史・文化を彩る出来事や人物が次々と登場した。ひときわ異彩を放った場面がある。
 青い光のなか、320の病院ベッドが並び、患者役の子どもと看護師600人が踊る。浮かび上がったのは「NHS」という文字だった。
 「国民保健サービス」の略称だ。英国に住む人なら原則、だれでも無料で医療を受けられる制度のことである。1948年に創設され、「ゆりかごから墓場まで」の言葉を生んだ。

 実はこの場面だけは見た。というか、いちろう録画してあるので、あとでこの部分だけじっくり見た。

 その流れは、増税と歳出削減に取り組む保守党のキャメロン政権下でも変わらず、NHSは予算が増える数少ない分野となっている。

 ここの詳細をたぶん執筆子は知らないだろうと思う。そういう簡単な話ではないからだ。

 もし東京で五輪があったとして、医療保険を祝う開会式など考えつくだろうか。

 米国に対するアイロニーを日本が発信することはないでしょという意味でないでしょ。
 あと、あのシーンで美しかったのは、看護師や医師が踊っていたことだ。実際の看護師や医師も含まれていたらしい。日本の病院がああいうシーンを演出できたらいいのだけど。あと、このシーンの前に小児病棟があった。

 私たちだけでなく、未来を生きる世代のためにも、財源不足で「空気」を薄くするようなことはしまい。その決意がいま、問われている。

 いや、決意ではなく、医療政策の具体性が問われているのですよ。ジャーナリストさんたちは「クオリ」という概念について勉強しておくとよいですよ。
 ⇒Quality Adjusted Life Years