日経新聞社説 原発事故の沈静化に国の総力をあげよ  :日本経済新聞

 原子炉が壊れ放射性物質が大量に放出されるようなことは何としても防がねばならない。この危機に国家の総力をあげる必要がある。原子力だけでなく汚水処理や放射線医療など、様々な分野の科学者の知恵や企業の技術が求められる。核技術の専門家が米国やフランスから協力のため来日している。
 1号機は原子炉圧力容器の内部が異常な高温・高圧で、核燃料棒の過熱が収まらない。圧力が上がりすぎると、放射性物質を含む蒸気を排出せざるを得なくなる。2、3号機は圧力容器の気密性が損なわれ、冷却水が漏れているらしい。すでに米国のスリーマイル島事故を上回る深刻な状況にある。
 東京電力勝俣恒久会長は30日、原子炉は「少し安定してきている」と述べたが、現状認識が甘すぎはしないか。東電の危機意識の乏しさが、事故拡大を招いたとの指摘は多い。事態がなお予断を許さないことを直視し、対処してくれないと困る。

 そういうしだいで、もう言ってもいいだろうと思うけど、炉の底抜けが想定される事態となっている。この場合、爆発を避けるために最後の大きなヴェントが必要になるのではないかと思う。そしてまたはあるいはなのだが、抜けてホウ酸水に落ちるとき水蒸気爆発を起こす可能性がある。建屋のない状態では問題だろう。こうしたことはすでに政府側でも想定しいるし、実際のところ住民避難についてもいろいろ問題はあったといえ着実に進展はしている。
 
追記
 誤解している人もいるみたいだけど、これ以上のことは言っていないよ。言い方を変えただけ。
 もいちどよく読んでおくとよいよ。
 これ⇒よくある質問 (PDF) - IRSN(フランス放射線防護原子力安全研究所)

IRSN では、溶解した炉心の放射能生成物の100パーセントが大気中に放出されたという大惨事事態をシミュレーションしました。これこそが原子炉にとっての最悪のシナリオです。

 100%出るとは思えないけど、その出る状況というのはという話。
 
追記
 現状は炉は安定しているので、このまま推移すると、まさにこのままというシナリオがある。炉の状況を見直すとその可能性も高い。
 希望的観測としてはそうであってほしいけど、予断を許さない状況(かつ最悪シナリオは残る状況)。

毎日新聞社説 社説:原発長期化 食にきめ細かい対応を - 毎日jp(毎日新聞)

 具体的な話が全部抜けているな。トーンからするとわかってない雰囲気ではないが。
 基本は、平時なら市民は、1mSv/yなので現行の安全基準はあくまで緊急時のもの。食品については、CODEXは100Bq/kgなのでいずれ世界と整合はつきづらくなるだろう。
 放射性汚染はALIで考える。化学系の汚染のADIとは考え方が違う。今回、科学的と言われる人でもADI的に考える人が多いように思えた。ある程度は比喩ができるし、厳密な議論は難しいがALIではいわゆる閾値のはものは考えづらい。まあ、これもいろいろ細かい議論はあるが。

朝日新聞社説 福島第一原発―長期戦支える人を守れ : asahi.com(朝日新聞社):社説

 率直なところ戦中の新聞を読んでいる印象を持った。ただ、それで非難しているということではない。特に主張もないにこの社説は書くことないのではないくらい。
 細かくは。

 強い放射能を帯びた水が建物の地下などに大量にたまって作業の邪魔をする一方で、原子炉や核燃料の貯蔵プールを冷やすには、水を注ぎ続けるしかない。だが、注げばそれだけ汚染された水があふれ出す。

 私はあの放水の意味がそれほど理解できない。