クランチを止めさせようとした人(The man who wants to kill crunches)

 ブログに、シットアップやクランチはやめとけの参考を書いたら、ひさびさに嫌な批判をいろいろもらった。まあ、そういうかたがたは、せいぜい背骨を痛めてくださいな。
 なので、ブログのほうには書かないけど、気になった、マギル先生の話はもう一つあるので、こっちに載せておきます。
 伝統的なヨガでも同じことが言えるというのが、自分では気になっていたので。
 以下、意図が通ればいいやくらいの粗い意訳なんで、関心ある人は適当に参考にして、くらい。批判は、俺に言うなよ、です。詳しく知りたい人は、ちゃんと元ネタ見といてね。
 
 元ネタ⇒The man who wants to kill crunches : The man who wants to kill crunches - Health - Macleans.ca
 
 スチュアート・マギルは背骨がどのように動くのかを30年間も研究してきた結果、シットアップのような腹筋運動はやめさたほうがいいと思うようになった。軍隊訓練のシットアップであろうが、スポーツジムで見かけるクラッチであろうが、同じことだ。彼はこう問いかける。「シットアップをしているとき、何が起きてるのか、わかっている? 背骨で最初に傷つく部分がぐいっと曲げられているんだ。」
 ワーテルロー大学で背骨の生物力学を教える教授である彼は、背骨の神経のトラブルのことは知っている。彼はヘルニアの仕組みを示す装置を世界中の誰よりも多く持っているのだ。「肉屋から豚の背骨をもらってきて、潰したり、切ったりした。それでシットアップやゴルフスイングの曲がる力がどうかかるかもシミュレーションしてきた。ケガが起きる独特のパターンを見てきたのだ。」
 背骨の一つ一つにリングあって、つなぎ目は粘液が入っている。そこでシットアップやクランチをすると何が起きるか。つなぎ目を潰すことになる。彼はコンピュータ上でシミュレーションを実行して見せた。骨の継ぎ目から粘液が出て来て、神経に障る。これがおなじみの背骨の痛みや腰痛を引き起こすのだ。「ジムでやっているトレーニングを見たら、これから起きる損傷が予想できる」と彼は言う。
 背骨の損傷原因はいろいろあるが、シットアップを止めれば簡単な予防になる。彼の研究によると、通常のクランチやシットアップで3,350ニュートンの力(340kgの力)が背骨にかかる。米国全米職業保安・健康協会は、3,300ニュートンを越えると危険であると言っているのにだ。
 マギルは、コアを鍛えるのに背骨を曲げない運動を提唱する。例えば、ブリッジ、プランク、レッグ・エクステンション、バードドッグや「ポットかき混ぜ」だ。バードドッグというのは、四つん這いになり、コアに力を入れてたまま、対角線上に手足を伸ばして交換させる運動だ。「ポットかき混ぜ」はもう少し複雑。運動用ボールにプランク姿勢でのしかかり、肘でボールを円を描くように動かす。
 マギルが何年もかけて進めた研究成果は、学界とアスリートの世界の外でゆっくりと浸透してきている。カルガリー消防局のイアン・クロスビーもそのひとり。彼は、体力テストの標準を決める国際消防士連合の委員会のメンバーとして数年前、クランチを含めた腹筋運動テストを見直した。
 みんな良かれと思ってやってきたが、運動テストにはシットアップも含まれていた。そこで昨年彼は、マギルや専門家と相談して、シットアップをやめてプランクに変えた。プランクは腕立て伏せのようにしてじっと付かれるまで耐える姿勢である。
 それでもシットアップが腹筋を鍛えるのにいいと思い込んでいる人もいる。クロスビーは新しい運動がコア強化によいことを示す研究を示した。スポーツ医学で、近年出版された研究によると、シットアップと、コアを安定させるバードドッグと二つのグループに分けて比べたところ、差は無かった。むしろ、コアの運動したほうがシットアップより少し改善を示していた。
 クランチの衰退はスポーツジムでも見られる。部ランプトンのYMCAでフィットネス担当のアンソニー・アイアルリは「クランチをやっていたのは過去のこと。現在では、腹筋強化にはピラティスやヨガをやっている」と言う。しかしアイアルリは、指導せずに運動を変えるだけで十分ではないから、新しい腹筋運動を指導できる指導者が求められていると強調した。
 マギルは自分の主張を広めている。最近、ワーテルローのヨガインストラクターである、アジア・ネルソンは専門家を招き、生徒に新しい考え方を聞かせた。ヨガなら背骨に安全だとは言い切れないと彼女は知っているからだ。
 ネルソンが上げた例には、太陽礼拝の前屈がある。これは基本的に立った状態のクランチになる。専門家の話を聞いたあと、彼女はこの運動を変更した。ヨガでも新旧技術のバランスをとるようにと勧めている。他方マギルのメッセージはというと、ぶっきらぼうだ。「ヘルニアになるまでの背骨の屈曲回数は限られている。」