朝日 日中関係―いがみ合うだけでなく : 朝日新聞デジタル:社説

 そう、いがみ合うだけなく、中国ももっときちんと日本を理解しなさいよと思うのだけど、朝日新聞さんが中国様に言えるのかと思って読むと、ありゃ。

 日中両国は地域の安定と発展をともに担う隣国同士だ。さらなる悪循環を防ぐための大人の外交関係を築けるはずだ。
 このところの不協和音の背景には、石原慎太郎東京都知事の「尖閣購入発言」や、新疆ウイグル自治区からの亡命者組織による「世界ウイグル会議」の東京開催がある。
 13日の日中首脳会談で、温家宝(ウェン・チアパオ)首相はこの二つを取り上げ、「中国の核心的利益と重大な関心を尊重することが大事だ」と述べた。
 「核心的利益」とはいかなる代償を払っても確保するという意思表示だ。これが直接に尖閣問題を指すかは別としても、中国がこれまで以上に踏み込んできたのは明らかだろう。

 笑った。これお笑いで書いているんじゃないんだろうと思うけど。
 まあ、すこし説明しときましょうか。
 石原慎太郎東京都知事の「尖閣購入発言」だけど、これは、中国という国家に対して国家の公という側面では、地方自治という国家内の民間の通常の商取引。実は、中国でもそのことはわかっていて、問題化したくなかったのだけど、朝日新聞さんとかが大騒ぎをするのでしかたないなと言及したのだった。実際のところ、この件については中国様は騒ぐなよというのが本音。尖閣諸島については国際問題に乗せられると中国様としては不利。毎度の中国様のようにこそっと実効支配してそれから国際問題に乗せないとうまくいかない。で、その方式でフィリピンとやっていたらそっちで炎上。困っているところで、中国様忖度の一派があらぬ所に放火という状態。ただ、これ、ただ朝日新聞が忖度しているのではなく、現政権への嫌がらせの一種で、こうした騒ぎを海外に放火するのも内政権力の問題。な・の・で、日本としてはこうした問題を社説なんかに取り上げて騒ぐのはおやめなさい。
 新疆ウイグル自治区からの亡命者組織による「世界ウイグル会議」の東京開催については、それを辞めさせたらさらに問題。今回朝日新聞などが騒ぎだしているのは靖国との連携があったからだが、これもまたまた「靖国」というタームでパブロフの犬状態というだけの話。靖国神社は単立、つまり新興宗教。「私」の問題で国家=公のセクターにもちだして騒ぐこと自体、この問題の処理を倒錯させてしまう。さらに、靖国神社についてはネタ化される前には、各国要人が参拝していて、その時には無問題。ダライ・ラマも参拝していたがそのときはこの手の騒ぎになっていない。この問題も、まだ中国側の情報がよく読めないが、前回のウイグル騒ぎ(胡錦濤海外訪問からの緊急帰国事件)から類推するとやはり、中国内政が関係していると見ていい。
 でだ、はあと。

「核心的利益」とはいかなる代償を払っても確保するという意思表示だ。これが直接に尖閣問題を指すかは別としても、中国がこれまで以上に踏み込んできたのは明らかだろう。

 「核心的利益」は領土のことです。で、中国は領土問題だから、尖閣問題となるし、これまで以上に踏み込んでいるわけではなく、すでにそうやってフィリピンやベトナムと軋轢を起こしている。
 なんなら朝日新聞社がこの論説でフィリピンやベトナムにドヤ顔してみると事態がわかると思う。

 ただ、今回の野田氏と温氏との会談では、関係を悪化させたくない思いも見えた。意見の違いはあろうとも「大局的見地」に立っての努力が必要という点で一致したのだ。
 あとは東シナ海ガス田の共同開発など、行動で示すことだ。

 それこそ、中国様の作戦、つまり、共同開発ということで巻き込んでいく。もちろん、共同開発以外できないのだけど、なぜ、この時期に提言する?意味ないでしょ。というか、中国国内の緊張を高めて、現政権の問題を増やすだけ。
 世界にとって今中国に求めているのは、安定的でかつ統一的な権力の移譲、それが成功したら次に通貨問題・通商問題で世界のルールに接近してもらうこと。
 つまり、日中間の問題として、日本側から問題化するのをやめたほうがいい。国際的な全体図のなかで、日中間がどう振る舞うべきか、それが「大局的見地」なんで、そもそも中国様ご忖度「大局的見地」とか言い出しても、それ、ダメですから。