読売 温首相尖閣発言 「核心的利益」は穏やかでない : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
「核心的利益」とは中国が絶対に譲歩できない国家主権や領土保全などに用いる言葉だ。これまで台湾やチベット、ウイグルなどに使ってきたが、近年は南シナ海にも使用しているとされる。
中国政府は、この表現を尖閣諸島に公式に使った例はない。だが、今年1月、共産党機関紙「人民日報」が、初めて使用した。
温首相の今回の発言は、「核心的利益」と「重大な関心事項」をひとくくりにすることで、尖閣諸島が「核心的利益」とも読み取れるように意図したものだろう。
尖閣諸島に関し、東京都の石原慎太郎知事の買い取り構想や日本政府による無人島命名に、中国国内で反発が広がった。そのことが念頭にあるようだ。
まあ、そういうことなんだけど、これは内政的なポーズが一義。
北朝鮮の核問題でも、中国の対応には疑問が残った。日中韓首脳会談に合わせ発表される予定だった共同宣言は、1日遅れの発表となり、肝心の北朝鮮については一切言及しなかった。
北朝鮮を刺激したくない中国が、核実験などの自制を促す内容を盛り込むことに反対する姿勢を崩さなかったのが原因だ。
これでは、中国に北朝鮮の核実験を阻止する意思があるのかと疑われても仕方あるまい。
「北朝鮮の核実験」はどうも噂の域を出ない。もちろん、根も葉もない噂ではないが、北朝鮮というのは律儀な国で、言行一致で残虐なことをする。そのあたりが、この件では動向が変。