NHK 戦場を駆けた少年兵たち 〜沖縄県・鉄血勤皇隊〜、見たよ

 ⇒証言記録 兵士たちの戦争 戦場を駆けた少年兵たち 〜沖縄県・鉄血勤皇隊〜

 太平洋戦争終盤の昭和20年3月、アメリカ軍の上陸が近づいた沖縄で、14歳から17歳の中学生たちが兵士として招集された。その名は、鉄血勤皇隊軍国主義教育を受けてきた彼らは、軍服と銃を支給され、喜び勇んで入隊する。しかし、初めて体験する本物の戦場は、少年たちの想像以上に過酷なものだった。聞かされていた戦況とは異なり、圧倒的な戦力で沖縄に上陸したアメリカ軍は、日本軍の頭上に砲弾の雨を降らせる。激闘は続き、後方支援要員であった少年たちの命も、次々に奪われていった。
 本土決戦を遅らせる防波堤の役割も担わされた沖縄戦。番組では沖縄県立第一中学校の元少年兵の証言から、子どもたちが目の当たりにした地上戦の実態を描き出す。

 大田先生の監修だった。ので、そのトーンといえばそのトーンなのだが、出てくるおじーたちの語りに独特の味わいがあった。中学生が手榴弾で死のうとして、その前に今生のタバコを吸おうと、恩賜タバコを吸ったらかびてむせてウチナーグチで思いを語り大笑いし、そして信管を抜いたら不発でまたうちなーぐちが出て笑う。じんわりと泣ける、リアルな悲惨がある。少年たちの愚かさといえばそうだが、少年たちの純真でもある。この子たちを日本兵がどう扱っていたか、彼らにどう見えていたか。日本軍の真実はこのようなものだった。山本七平が描き出したあの軍そのものだ。軍の体をなしてない。
 昭和31年まで公式には伏せられていたというのだが、そのあたりの戦後の経緯も知りたい。番組では8.15の終戦を語らせていたが、それは沖縄戦ではあまり意味はなかったのではないか。