夢をあきらめるということ

 inspired by 夢をあきらめないということ
 
好きな学問を一生やっていきたいと思ったのは、
たしか大学一年生の時だった。
すぐさま書籍を買いこんだり勉強して
それが成績に結びついたりして
俺の勘違いは始まった。
おれ、イケんじゃね?
成績がまんざらでもないことがが影響してか、
ただの勉強好き大学生に
奨学金とか来た。
(中略)
……挫折
……失恋
……騙し
……相続問題
……事故
……裏切り
……病気
(中略)
それから20年経った。
人生ってのはわからないもんで、
ひょんなことから、
夢に諦めがついた
本当にそれって自分の夢だったのかな
そんな夢にしがみつきたかったのは
自分が空っぽだったからじゃないかな
海に面した断崖絶壁で
ジュるジュると鼻水をすすりながら、
一人むせび泣いた。
夢と自分が思っていたものに
ただ縛られていただけなんじゃないかな
これからは夢じゃなくて
自分の人生を生きようと思った
 

cover
帰還―ゲド戦記〈4〉 (岩波少年文庫): アーシュラ・K. ル=グウィン, Ursula K. Le Guin, 清水 真砂子