「今こそアーレントを読み直す」を読んだよ
今こそアーレントを読み直す (講談社現代新書): 仲正 昌樹 |
アーレントを批評のレベルでどうこういうのはそれほど難しくないということもあるのだろうが、晩年はどうしてもカントに関わってくる。このあたり、仲正によるアーレントの読解が間違っているとも思わないのだが、いろいろひっかかる。のは、アーレントとカントの関係、さらに、どうもドイツ語と英語の語感の問題もありそうだ。つまり、自由意志論の問題。思考方法はさすがにハイデガー臭いところがあるのだが、ハイデガーはそう考えないなとかもひっかかる。
さらに、これ、どうにも、やっぱりデカルトにひっかかってくる部分もあり、難問。
アーレントを思索の対象とするとより、アーレントがなぜ後期にこう考えたのか、という部分、そこの見取り図が自分にまだ確たるものなく、見えないのがつらい。