日経春秋 春秋(4/1)

 スイスの農村にはスパゲティのなる木があって、この時期には村人が総出でにょきにょき生えてくるパスタの収穫に大わらわ――。というのはもちろん真っ赤な嘘(うそ)。英国BBCが1957年のエープリルフールに流した「ニュース」だ。
▼こしらえた映像がまたもっともらしく、真に受けた人たちから問い合わせが殺到したらしい。4月1日に各国のメディアが仕掛ける遊びのうちでも不朽の名作だという。しかし日本ではこういう芸当をやってのけるのは難しい。ちょうど新年度を迎えて心機一転の時節である。おふざけには立腹する方も多かろう。

 朝日新聞が秀逸なのを出しましたよ⇒asahi.com(朝日新聞社):本社編集局員、差別表現をネットに投稿 - 社会

 朝日新聞社内のパソコンからインターネットの掲示板に不適切な内容の書き込みがされていたことが分かった。本社は31日、この文章を書いた社員を特定し、事情を聴いたところ、投稿を認めた。
 社員は東京本社編集局の校閲センター員(49)で、掲示板サイト「2ちゃんねる」に断続的に投稿していた。部落差別や精神疾患への差別を助長する内容が含まれていた。3月30日夜、外部から指摘があり本社が調査を開始した。
 このセンター員は「他の投稿者と応酬するうちにエスカレートしてしまった。悪いことをしました。釈明の余地はありません」と話している。
 
◆本社「厳正に処分」
 朝日新聞社広報部の話 弊社社員が2ちゃんねる掲示板にきわめて不適切な書き込みをし、多くの皆さまに不快な思いをさせ、ご迷惑をおかけしたことをおわびします。事実関係をさらに確認した上で、厳正な処分をいたします。

 リンク切れだけど。
 2009年2月6日の朝日新聞社説⇒ネットの中傷―表現の舞台を汚す卑劣さ : asahi.com(朝日新聞社):社説

 深刻なのは、そうした無責任な書き込み行為が幅広い層に広まっている点だ。今回摘発された中には女子高校生から国立大学の職員までいた。07年に全国の警察に寄せられたネットでの中傷被害の相談は9千件近くにのぼる。お隣の韓国では被害にあった女優が自殺する騒ぎがあった。もはや見過ごせない状況だ。
 背景にあるのは、名乗らずに発信できるネット社会の特性だろう。だが、自分だけは姿の見えにくい場所に立って、一方的に悪口を浴びせたり事実に反する書き込みをしたりするのは、あまりにも卑劣ではないか。

 「あまりにも卑劣ではないか」の壮烈なブーメラン。
 検索したら魚拓もあった⇒http://www.asahi.com/paper/editorial20090206.html - 2009年2月6日 12:00 - ウェブ魚拓