日経春秋 春秋(11/30)

卒業時の景気次第で人生が大きく変わる。就職氷河期の卒業生には、今なお厳しい環境で働く人も多い。

 私の父の世代は戦争で、人生がめちゃくちゃになった。父もその一人だった。ただ、生きているだけでもうけものでもあった。
 人生というのは、過ぎ去ればそう長いものでもないし、過ぎされば、富や権力も無になる。どう生き延びているかについては、40歳半ばあたりに見えてくるものがあり、五十にして天命を知る、というのは、至言だろう。あるいは、天命を知り得ないことを知るというべきか。あるいは、その挫折こそが天命だったと引き受けることか。

日経社説 行き詰まったチベット対話

 これもまた強いご意見が。ある意味、偉いな日経。
 ダライ・ラマはすでに浮いている。彼もそれを知ってはいるし、たぶん、彼の命運ももう尽きるころだろう。「リトルブッダ」みたいな展開になっても私は驚かないし、それが女の子であっても。

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リトル・ブッダ [DVD]: ベルナルド・ベルトルッチ, キアヌ・リーブス, ブリジット・フォンダ, クリス・アイザック, アレックス・ヴィーゼンダンガー: DVD

日経社説 ソマリア沖の海賊対策に日本も加われ

 これまた強いご意見が。
 ただこの正論は正論で、ホルムズ海峡に問題があってからでは遅いというのはある。

 海洋国家・日本の生存は、世界の海の安全にかかっている。ソマリア沖と聞けば、遠い海を想像するが、その安全が決して人ごとではないのがグローバル化した世界の現実である。早急な法整備が求められる。

 皮肉じゃなくて中国とうまくやっていくのが利口にも思えるが。

 民主党小沢一郎代表は、国連決議がなければ、自衛隊の国際協力活動は認められないとする。ソマリア沖の海賊対策に関しては安保理決議があり、小沢氏の持論との衝突もない。逆に活動根拠を補強する。

 小沢の政治的命運はもうすぐ尽きて、民主党と小沢の関係は消えるんじゃないかと懸念するのだけど。

毎日社説 社説:空自撤収 イラク再建支援はこれからだ - 毎日jp(毎日新聞)

 一方、イラクの治安は昨年夏以降、改善に向かい、特に北部地域は比較的安定している。とはいえ、宗派、民族間の抗争が深刻であることに変わりはない。マリキ政権への国民の信頼が希薄であることも、国内の対立に拍車をかける要因となっているようだ。

 こう語る社説子にクルド地域の認識はないんだろうな。

 中東諸国が石油輸入先の約9割を占める日本にとって、イラクに対する支援は国益にもかなう。

 これは石油というものがよくわかってないご様子。日本にとって重要なのは自由市場。それと、イラクOPECの立ち位置も考慮したほうがいいけど。

 ブッシュ米政権がイラク攻撃に踏み切った直接の理由は「大量破壊兵器の存在」だった。しかし、同兵器は存在せず、「戦争の大義」は失われた。その米国に追随した日本の責任は重い。

 追従しなかった国の経緯も少し考えたほうがよいよ。追従せよとは思わないし、私は誤解されているみたいだけど、私は小沢のように国連構想の人なんで、国連と異なる有志連合には危機感を持っている(ま、国連というのは調停機関会議みたいなものでこの件ではお墨付きみたいのはあるけど。

毎日社説 社説:年金記録改ざん 国民だました「国家の犯罪」 - 毎日jp(毎日新聞)

 舛添要一厚生労働相の調査委員会が、改ざんの疑いがある6万9000件の年金記録について調べ、社会保険事務所での組織的な改ざんを初めて認定した。

 私の誤認かもしれないが、この暴露は舛添の強い意志の結果ではないか。彼がもうちょっとぬるかったらこれはまた曖昧になっていたようにも思う。ただ、こうした強い意志が全体に利となるかについてはよくわからない。

 最後に指摘したいことは責任の問題だ。組織的な改ざんを放置し、公務員の信頼を失墜させ、さらに年金不信を一層強めてしまった責任は重い。調査委も「国民への重大な裏切り行為」と批判し、職員・幹部を再度調べて懲戒処分するよう求めた。組織的関与を指摘されたからには、幹部が「知らなかった」では済まされない。現場にすべての責任を負わせるだけでは、国民は納得しない。調査に基づいて厳正な処分を行わない限り、年金不信解消はできない。

 この問題はそう理念的には解決しない。

読売社説 社会保障目的税 財源確保への意義ある一歩 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 並行して中期プログラムを議論している自民党税制調査会も、この方針に同調する見通しだ。安定財源確保のため、政府・与党が歩調をあわせる意義は大きい。
 諮問会議では、民間議員が〈1〉税制抜本改革による増収額はすべて社会保障給付の必要な増分に充て、官の肥大化には使わせない〈2〉行革の推進と歳出規律を維持する――など、抜本改革の3原則を提案し、基本的に了承された。
 消費税を社会保障目的税とすることには、政府税制調査会も前向きだ。麻生首相に提出された来年度税制改正答申では、昨年の答申を踏襲する形で、消費税を社会保障財源に充てることを選択肢に検討を進めるよう求めている。

 消費税は、本来は地方税にすべきだった。それが地方に実現可能かといえばそうではないとしても理念としては。
 与野党、というか、右派左派ともに大きな国家を志向し始めていくことに私などは危惧を覚える。

朝日社説 竹崎新長官―国民と共に歩む最高裁を : asahi.com(朝日新聞社):社説

 こういう社説もありだろう。というか、よい着眼だと思う。

 さらに、憲法の番人である最高裁のトップとして重要なことは、時代の変化の中で、新たな憲法判断や判例変更をためらうことなく行うために最高裁大法廷を積極的に開くことだ。
 島田前長官の下で大法廷は今年、結婚していない日本人の父とフィリピン人の母の間の子どもが日本国籍の確認を求めた訴訟で、「国籍法の規定は、法の下の平等を定めた憲法に違反する」と判断した。土地区画整理事業の取り消しを求めた訴訟では、計画段階での提訴を認めなかった42年前の判例を変更し、行政訴訟の門戸を広げた。

 ここは微妙なところだ。「最高裁大法廷を積極的に開く」べきかは私にはよくわからない。しいていえば、法というのは社会に寄り添わないといけないので早急な改革に繋がることは避けるのが基本だ。ただ、社会が早急に変わるときにはという問題もある。
 国籍の問題については、「島田前長官の」という文脈で捉えるのはどちらかといえば間違いで、ただ、司法は司法の動きをしているだけと考えたほうがよい。
 このところ、司法の動きはそれなりに活発化している。世代代わりがあり、より緻密な頭脳が機能しているのではないかと思うというか、日本を変えている。静かな革命ともいうべきかもしれない。むしろ、それへの期待とのズレから司法のほうが困惑しているようにも見える。

晴れ

 温泉でゆったりしたのはいいが、その分、寝付かれず、しかも暖の問題でもないと。しばし坐禅。そして、しかし眠った。このところ、意識のレベルが深く、というか、ステートが下がることがある。単に、脳の劣化かもしれないが。夢は忘れた。

本質かもよ

 ⇒恋は悪質
 では、カラオケ。

どうして どうして僕たちは
出逢ってしまったのだろう
こわれるほど抱きしめた
 
どうして どうして私たち
離れてしまったのだろう
あんなに愛してたのに
 
どうして どうしてできるだけ
やさしくしなかったのだろう
二度と会えなくなるなら

 恋の真実性が、人生と世界の真実性を打ち破るように、人間はしくまれているんだと思いますよ。

ありふれた日常が急に輝きだした
心を奪われたあの日から
孤独でも辛くても平気だと思えた
I'm just a prisoner of love
Just a prisoner of love

 たぶん、そうした本源性みたいなものは、死を乗り越える装置として脳に仕組まれているんだと思いますよ。
 それはそれとして。
 老いというものは、そこを裏切ること。
 (そうでない老いもあるけど。)
 死を乗り越えていく恋みたいなものから、無残に取り残されて、なお生きる意味があるとすれば、それはなんだろうと問うことが老いることですよ。

遠く遠く離れていても
君が泣いた時は会いに行くよ
 
どんな時も 会いに行くよ

 なんとなくだが、老いていくと、死の向こうに、あるいは死の向こうから、会いに行くという情感は生まれる。