今日の大手紙社説

 特に事件といったものも話題もない。大晦日ということだ。
 そして人は忘れることで生き延びていく。
 これとか⇒世田谷一家殺害事件 - Wikipedia
 このぶきみな事件は解明されることもないだろう。ということは、市民の誰もが潜在的にそうした恐怖に怯えながら忘却を選ぶことで生き延びているということだ。

日経社説 世界のマネー変調、日本株の下げ目立つ : NIKKEI NET(日経ネット):社説・春秋−日本経済新聞の社説、1面コラムの春秋

 サブプライム問題で資本不足に陥った米欧の巨大金融機関に救いの手を差しのべたのは、中東産油国シンガポール、中国の政府系ファンドだ。いま巨額の資金の出し手になれるのはどこか。投資マネーの世界地図の変化を象徴する動きである。

 というより産油国や華僑、中共マネーがどれだけ米国に依存しているかということで、実は日本と同じ構図だった。そして日本はむしろこれを先行してやっていたにすぎない。それらが利益を生み出し、米国をブーストしていた。
 日本人については端的に、だから、偽善者とすら言えるだろうし、そう見られかねない。小泉の滑稽なピエロはその慧眼を覆ったし、それは偽善者日本の利益になっていた。

 新興国マネーにも支えられて米国の市場は一息ついた。ニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は史上最高値圏にある。対照的に主要国の中で最も停滞が目立つのが日本の株価だ。28日の大納会日経平均株価終値は、昨年末終値を11%も下回った。日経平均は夏場から下落に転じたが、売買の過半を占める外国人投資家は8月以降もっぱら売り越して、下げを主導した。

 サブプライム問題よりというかその問題はすでに本質的には終わっている。ここまで世界金融がこういう構造になっていたかというのはバーナンキすら疾走させたが、それでも大筋では終わりが見える。むしろ、副作用のインフレが見えるし、上が実際には巨大な問題の寝息を立ている。
 そう思うとき、ああ私は気が違ってしまったのかもしれないと自分を思う。そしてもし私を気違いと指さす人がいるなら、不幸な未来においてなお私が嘲笑されている世界を好ましいと思う。

産経社説 【主張】回顧2007 「偽」は必ず見破られる 取り繕う政治からの脱却を - MSN産経ニュース

 これも少しひどいなと思う。

 国会議員たちの視線の先には、政権交代のかかる衆院選が控えており、選挙民を意識した国会攻防となりがちだが、不都合を安易に取り繕おうとすれば、すぐに見抜かれる。偽物をつかまされぬよう、国民はさらに眼力を磨いておく必要がある。

 たとえば年金問題については小手先の対応はできない。そしてそれはそれだけのことともいえる。言いつくろいはあるかもしれないし、言いつくろえば偽になるだろうが、では偽物ではない本物はといえば、小手先の対応はないというだけのことだ。
 耐震偽装、食品偽装、どれも、制度上の不備や商慣例にすぎなかった。死者が出る話ですらなかった。死者が出てからでは遅いとはいえる。だが、そういう制度上の不備や商慣例の上に生きていた。いや、パロマでは死者を出していた。そしてそれらは社会的には知られていたが、そういうものだというふうに過ぎていた。もちろんよいことではない。ただ、どこかに悪意をもった悪者がいてそれが嘘ついているからこうなったという単純な話ではない。

毎日社説 社説:07年を振り返る 空気読めずに政治が迷走 民意つかみ「信」の回復を図れ - 毎日jp(毎日新聞)

 これはすこしひどいなと思う。

 「KY」が政治の世界も侵食したのが今年の特徴だろう。世の中の空気を「民意」と言い換えてもいい。見誤るとどういうことになるかを端的に示したのが7月の参院選だった。

 それは話が逆だ。
 世間の空気は民意というより目のない猛獣のようなものだ。政治は空気に支配されるのではなく、理念と手続きと説得的な耐久力をもって民意に向かわないといけない。

快晴。

 富士山は少し霞むがきれいな偉容だ。書店で富士山の絵を見ると幸せになるという変な本があった。富士山の絵というのがおかしい。
 天気は今日明日、よさそうだ。北風は少しありそうだ。
 かくして2007年が終わる。

個人的にはいろいろなことがあった年だった

 そして50歳になった。
 2000年を迎えたとき、え、俺、まだ生きているんだと驚いた。そしてそのあと、今死んだらつらくてつらくて死にきれないのに俺はもう死ぬのかと気が狂わんばかりのことがあった。でも、生き延びた。なんで俺生きていられるのだろうかと不思議に途方に暮れ、そしてこんな幸運のわけはないと怯えた。
 今年も総じて見れば幸運な年だった。神が存在するなら、なぜこんなにも恩恵があるのか感謝を捧げたい。

Amazing Grace! How sweet the sound
That saved a wretch like me!
I once was lost, but now I'm found,
Was blind, but now I see.

 ⇒アメイジング・グレイス - Wikipedia
 
 増田にもよいお年を⇒俺ってもう死んでいい。そんなに生きなくていい。生きる必要はあんまりない。